前回の記事では、妊娠中に見つかった子宮筋腫とその後の経過、手術の決断に至るまでの体験を綴りました。
今回はその続きとして、子宮全摘出手術に向けて服用した「レルミナ」という薬の体験談をお話ししたいと思います。想像以上に心身に波があった日々を、包み隠さず綴っていきます。
副作用のこと、メンタルの波、育児との両立…正直、辛かったこともたくさんあります。 同じ薬を服用している方や、これから服用を検討している方の参考になればと思い、今回はリアルな日々を綴っていきます。
レルミナとは?なぜ手術前にこの薬が必要だったのか
筋腫が6.6センチにまで成長し、「手術をしたほうがいい」と医師から告げられたとき、同時に勧められたのがレルミナという薬でした。
この薬は、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌を抑えて筋腫の成長を止める目的で使われるもので、術前に筋腫をできるだけ小さくしておくことで、手術のリスクを軽減する効果があるそうです。
服用期間は約4ヶ月間。医師からは「副作用として更年期のような症状が出るかもしれません」と説明されました。
レルミナ服用中に現れた副作用
私の場合、服用を始めて2日目にはすぐに副作用が出始めました。のぼせやほてり、ホットフラッシュ、動悸、息切れ、口の中の違和感、ひどい頭痛などです。レルミナ服用3日目の夜に今まで経験したことのない頭痛(一瞬突き抜けるような激痛)を感じ、念のため血圧を測ったところ150/94(普段は95/65くらい)で焦って#7119(緊急性の判断に迷った際の相談ダイヤル)に電話しました。一旦様子見で大丈夫と言われましたが、その日は怖くて眠れませんでした。
副作用がひどかったため(特に頭痛と血圧が怖かったこともあり)、レルミナ服用4日目にかかりつけ医を受診しました。医師からは「レルミナの副作用だとしたら早すぎる」と言われ、念のためホルモンの値を見るために採血をしてその日は帰宅。次の日の朝、主治医から電話があり「女性ホルモンの値がかなり下がっていました。これから更年期のような症状がどんどん出てくると思います」と説明を受けました。
10日目くらいまでは先に紹介した症状に加え、体のいろんな場所がこわばったり、乳腺の痛み、不安感からのパニック発作などつらい日が続きました。かかりつけ医に相談し漢方の「加味逍遙散(かみしょうようさん)」を処方してもらってからは少しずつ症状が和らいでいき、レルミナを飲み始めてから一ヶ月ほど経過すると気になる症状は少なくなっていきました。
三ヶ月目くらいまでは比較的体調もよく過ごせていましたが、それ以降は足の冷えやひどい肩こりといった、じわじわと続く辛さが続きました。ちょうど梅雨の時期とも重なり、気分は鬱々としていました。特に前日との気温差が激しかったり、気圧が乱高下しているような日には不調が出やすく、もともともっている不整脈(期外収縮)も相まって家から出られない日も何日かありました。
副作用とどう向き合ったか
当時は、長男4歳、次男1歳で、毎日バタバタの育児真っ最中。体調が万全でない中での子育ては、本当に大変でした。家事の途中で息切れして座り込んだり、イライラして子どもや夫に強く当たってしまったり…
それでも、「頑張って薬を飲めば筋腫は小さくなる」と信じて、私は以下のような工夫をしていました:
- 可能な限り散歩やヨガなどの有酸素運動を取り入れる
- 早寝を心がける(無理に家事を完璧にしない、夫に頼る)
- ぬるめのお風呂にゆっくり入って汗を流す
- 睡眠の質向上のためにヤクルト1000を飲む(個人的には結構効いた)
- 入眠前にマインドフルネス
夫のサポート、そして何より医師が話をよく聞いてくれたことが、私の支えでした。
レルミナを終えて思うこと
4ヶ月という期間は、長かったかと聞かれるとあっという間だったようにも感じます。
一方で、筋腫自体はレルミナ服用から約80日で6.6センチから5.7センチに縮小しましたが、それ以降は小さくなることはありませんでした。
やれることはやった、という気持ちはありますが、それでも手術に対する不安感はそこまで拭うことはできませんでした。
次回:「【子宮全摘出の体験談】急成長する筋腫と全摘決断:入院・手術編」へ続きます。