この体験談は、急成長する子宮筋腫に悩み、最終的に子宮全摘出という大きな決断に至った私の記録です。
手術前日の入院から退院までの道のりを、具体的な状況と心境を交えながらお伝えします。同じような状況に直面している方や、婦人科系手術を控えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
手術前日:入院と準備
手術前日の午前10時、私は病院に入院しました。コロナの検査を済ませた後、病棟へ。
昼食後の13時頃から、約1時間かけて下剤(マグコロール内容液250ml)を服用しました。これは酸味の強いスポーツ飲料のような味で、しっかり冷やして一気に飲むか、水を挟みながら飲むと飲みやすいと感じました。
15時頃にはお臍の清掃とシャワーを済ませ、16時頃には夫と息子たちがお見舞いに来てくれました。その後は特にやることもなく、ブログを執筆したり、本を読んだり、病棟内をぶらぶら歩いたりして過ごしました。
21時に絶食が始まり消灯となりましたが、慣れない環境と手術への不安から眠れず、時折訪れる便意と闘う夜となりました。
手術当日:手術開始から術後覚醒まで
手術当日の午前9時に絶飲となり、手術着に着替えて点滴が開始されました。
その後、医師や看護師が立て続けに説明に来られ、最終確認が行われました。特に心配だったのは、私がインビザライン矯正中でマウスピースをつけたまま手術するか否かということ。たまたま担当の看護師のお子さんもインビザ矯正中とのことで、専門的な見地から「つけたままの方がリスクが少ない」という結論に至り、少し安心しました。正午に夫が到着し、ひたすら緊張しながら手術開始の時を待ちました。
13時、予定通り手術が始まりました。硬膜外麻酔の注射の痛みはほとんど気にならず、点滴のルート確保の方が5倍ほど痛く感じたほどです。しかし、全身の緊張と不安はピークに達し、心拍数は体感160bpm。心臓がバクバクし、会話もままならない状態でした。そんな中、手術室のスタッフの方々の温かい手と声かけが心の支えとなりました。硬膜外麻酔は今回が3回目でしたが、過去にないほどの緊張を感じました。点滴で全身麻酔が投与され、酸素を吸入しながら数回深呼吸すると、そのまま意識を失い眠りについたようです。
手術当日:術後覚醒から夜間まで
16時40分、医師の声かけで意識が戻りました。喉は痛く、声はガラガラ。まだぼーっとしていて記憶は曖昧でしたが、一瞬だけ立ち会ってくれた夫の顔と声が聞こえた気がします。病室へ移動後、電気毛布などをかけてもらい、冷え切っていた体に暖かさが心地よかったです。婦人科系の手術ではシバリング(悪寒戦慄)は少ないと聞いていましたが、それでも寒さで少し震えました。
17時30分には、夫がいつの間にか帰宅しており、病室で一人取り残される時間が長く、ちょっぴり不安を感じました。しかし、一方で「経過が良いから一人なのかな」と冷静に考えたりもしました。腹腔鏡手術だったためか術後の体の軽さは、以前経験した帝王切開の時よりも楽に感じられました。
21時、少しずつ麻酔が抜け始め、心配してくれた家族や友人にLINEでお礼を伝える余裕も出てきました。上半身はスッキリしてきましたが、下半身にはまだモヤモヤとした感覚が残っています。痛みはほとんどなく、硬膜外麻酔のスイッチもここまで押さずに済みました。
21時50分には水が解禁。持参したストローキャップのサイズが合わず少しがっかりしましたが、病院のストローを借りて水分補給。渇いていた体にはとても美味しく感じられました。相変わらずお腹周辺の痛みはありません。午後10時30分頃には、室温25度にもかかわらず、とにかく暑くて汗が出ました。ホットフラッシュかもしれません。
0時30分、うとうとしていましたが、モニターの音で目が覚め、ホットフラッシュと軽いパニック発作が起きました。看護師さんにお願いして氷枕を持ってきてもらい、その後はうつらうつらと過ごしました。結局、6時頃までほとんど眠れていませんでした。この時点でも、硬膜外麻酔のスイッチは一度も押していませんでした。
術後1日目:痛みとの闘いと離床
術後1日目の7時、体を少しだけ起こしてお茶を飲みました。手術中に触られたと思われる内臓がしくしくと痛み始めたため、ここで初めて硬膜外麻酔のスイッチを押しました。
9時には離床を試みましたが、麻酔が効きすぎて右足が動かず、頭もふわふわしたため断念。麻酔の量を調整することになりました。しかし、11時になっても右足に変化がなかったため、硬膜外麻酔を止め、痛みは内服薬でコントロールすることに切り替わりました。
正午には久しぶりの食事が運ばれてきて(五分粥)、空腹だったので美味しく感じました。
13時には麻酔が完全に切れ、足の感覚も戻ってきた一方で、痛みを感じるようになったため、すぐにカロナールを服用。14時には痛みが半分ほど軽減しました。帝王切開の時はカロナールがほとんど効かなかったことを考えると、今回ははるかにマシでした(とはいえ、痛みはありました)。
14時30分には、ようやく離床に成功しました。硬膜外麻酔のカテーテルや尿管、モニター類が外れて身軽になった開放感はひとしおでした。しかし、16時には痛みが増したため、坐薬を追加で服用。動ける程度にはなったものの、生理痛のような地味な痛みと腰痛は改善しませんでした。
18時、食後にお腹(内臓?)がポコポコと動く感覚があり、驚きました。
20時には早めに就寝しましたが、午前1時頃に痛みで目が覚め、追加で痛み止めの坐薬を使いました。
術後2日目:回復とシャワー
術後2日目の6時、この日はよく眠れた感覚がありました。お腹の痛みはほとんどなかったのですが、肋骨のあたりがシクシク、ツキツキ、ズキズキと痛み始めました。これは手術中にガスを入れたことで横隔膜が刺激され、2、3日痛むことがあると事前に説明を受けていた痛みでした。朝食後にカロナールを飲んだものの、この肋骨の痛みは改善しませんでした。
10時には何日かぶりのシャワーを浴びることができました。しかし、抜け毛のひどさに驚き、少し焦りました。
この日は回診くらいしか特にやることもなく、20時頃に就寝しました。横になってからなぜかお腹の痛みが気になり始めましたが、薬がなくても我慢できる程度で、そのまま眠りにつきました。
術後3日目:退院
術後3日目の6時、とてもよく眠れました。頭がぼーっとしていてすぐに動けませんでしたが、そうこうしているうちに便意が出てきたためトイレへ行き、手術後初めての排便を済ませました。便が出たことでひとまず安心しましたが、腸が動いた関係でなんとなくお腹が痛みました。
9時に診察があり、経過も良好で、無事に退院の許可をもらえました。朝まで肋骨の痛みはなかったのですが、診察後にまた痛み始め、この地味な痛みが最後まで辛く感じられました。
15時には夫に迎えに来てもらい、無事に退院することができました。
おわりに
子宮全摘出という大手術を経て、入院から退院までの3日間は、身体的な変化だけでなく、精神的にも様々な感情が入り混じる日々でした。
特に、術後の痛みのコントロールや、思いがけない場所の痛み、そして何より、家族や医療スタッフのサポートが心の支えとなりました。この体験が、同じように不安を抱えている方々の一助となれば幸いです。
次回:「【子宮全摘出の体験談】急成長する筋腫と全摘決断:退院後の生活・回復編」へ続きます。