そのPC選び、本当に「高いWindows PC」一択ですか?
「新しいPCが欲しいけど、高性能なモデルは10万円以上して高い…」
「本当は手軽なChromebookに興味があるけど、仕事で使うWordやExcel、専用ソフトが動かないから諦めている…」
PC選びで、こんな風に悩んでいませんか?
もし、3万円台から買える安価なChromebookで、今お使いのWindowsやMacとほぼ同じ作業ができるとしたら、あなたのPC選びは大きく変わるかもしれません。
その画期的な解決策が「リモートデスクトップ」です。
この記事では、「Chromebookって実際どうなの?」と購入を検討しているあなたに向けて、
- Chromebookの弱点をほぼ克服する「リモートデスクトップ」とは何か
- リモートデスクトップを快適に使うための、後悔しないChromebookの選び方
- 購入後すぐにできる、簡単な設定方法
これら全てを、メリットだけでなく注意点も含めて分かりやすく解説します。この記事を読めば、ChromebookがあなたのメインPCとして、いかに賢い選択肢になり得るかが分かるはずです。
そもそも「リモートデスクトップ」って何?Chromebookが強力になる理由
まず、「リモートデスクトップ」とは何かを簡単にご説明します。
これは、手元のChromebookから、インターネット経由で自宅などにある別のPC(WindowsやMac)を遠隔操作する技術のことです。Chromebookの画面の中に、自宅のPCデスクトップがそのまま映し出されるイメージです。
これにより、Chromebook購入の際に不安に思われがちな、あらゆる問題を解決できます。
弱点克服①:Windows/Macの多くの専用ソフトが動かせる
最大のメリットは、Microsoft Office(Word, Excel)のデスクトップ版や、会計ソフト、動画編集ソフトなど、Chromebook単体では動かないソフトを、自宅のPCパワーを借りて自由に使えることです。
弱点克服②:重いノートPCの持ち運びから解放される
外出先には軽量なChromebookだけを持っていき、必要な時だけリモートデスクトップで自宅のPCに接続。カフェや出張先が、自宅と同じパワフルな作業環境に早変わりします。
弱点克服③:「あのファイル、家に忘れた!」がなくなる
USBメモリやクラウドストレージに移し忘れたファイルも、いつでも自宅PCにアクセスして取り出せます。
ただし、知っておきたい注意点(デメリット)
リモートデスクトップは非常に便利ですが、万能ではありません。購入後に「知らなかった」と後悔しないために、以下の点を理解しておきましょう。
自宅のPCは常に電源オンが必要
リモート接続するためには、接続先となる自宅のPCが起動している必要があります。そのため、PCを常時起動しておくか、遠隔で起動できる設定(専門的にはWake-on-LANと呼ばれます)も可能ですが、やや上級者向けです。
インターネット環境に快適性が左右される
快適性は、自宅(接続される側)と外出先(接続する側)両方の回線速度と安定性に大きく依存します。特に自宅回線の「アップロード速度」が重要で、光回線などの高速な環境が望ましいです。
もし「なぜか繋がらない」といったトラブルが発生した場合は、原因の切り分けと解決策をまとめた以下の記事を参考にしてみてください。
リアルタイム性の高い作業には不向きな場合がある
わずかな遅延が発生するため、コンマ数秒のズレが勝敗を分けるオンラインゲームや、高度な動画編集、音楽制作(DTM)などには向いていません。
自宅PCの電気代がかかる
PCを常時起動させておく場合、その分の電気代が継続的にかかることも念頭に置いておきましょう。
【購入前に必読】リモートデスクトップ用のChromebook、賢い選び方とは?
「リモートデスクトップの注意点は分かったけど、どのChromebookを選べばいいの?」という疑問にお答えします。
よくある間違いが、「高性能なCPUや大容量メモリのモデルを選んでしまう」ことです。重い処理は自宅のPCが行うため、Chromebook自体の処理性能はそこまで重要ではありません。
リモートデスクトップ用途で後悔しないためには、CPUよりも以下の3つのポイントを重視してください。
- ディスプレイの解像度: 接続先のPC画面を鮮明に見るために非常に重要です。
- Wi-Fiの規格: 接続の安定性や遅延の少なさに直結します。
- キーボードの品質: 長時間の作業でも疲れないために重要です。
これを踏まえた、具体的な推奨スペックはこちらです。
スペック項目 | 最低限ほしいスペック | 快適な作業を目指す推奨スペック |
ディスプレイ | フルHD (1920×1080) | フルHD以上、IPS液晶 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 (802.11ac) | Wi-Fi 6 (802.11ax) |
メモリ (RAM) | 4GB | 8GB |
CPU | Intel Celeron 等 | Intel Core i3 以上 |
では、具体的にどのモデルを買えばいいの?【2025年版・予算別おすすめ3選】
上記のスペックを元に、現在の市場から「これを選べば間違いない」というモデルを3つのレベルに分けてご紹介します。
コスパ最強モデル:Lenovo IdeaPad Duet 370 Chromebook
とにかく安く、手軽に始めたい方向け。タブレットにもなる軽量モデルで、持ち運びに最適です。画面は小さいですが高解像度なので、外出先でのファイル確認やメール作業がメインの方におすすめです。
より画面の綺麗さを求めるなら、有機ELディスプレイを搭載した上位モデル「IdeaPad Duet 5 Chromebook」も視野に入ります。
バランスの取れた優等生モデル:ASUS Chromebook Plus CX34
快適な作業環境と価格のバランスが最も取れており、購入を検討しているすべての方に一番におすすめしたい鉄板モデルです。フルHDディスプレイ、8GBメモリ、Wi-Fi 6対応と、推奨スペックをしっかり満たしており、長時間の作業でもストレスを感じさせません。
プレミアムモデル:HP Dragonfly Pro Chromebook
最高の使用感を求めるならこの一台。驚くほど高精細で明るいディスプレイは、まるで目の前にWindows/Macのモニターがあるかのような体験を提供します。デザイン作業など、画面の綺麗さが重要な方や、最高の道具で快適に作業したい方におすすめです。
同等のプレミアムな体験は「Acer Chromebook Spin 714」など、他のハイエンドモデルでも可能です。
【購入後5分でできる】Chromeリモートデスクトップの簡単設定ガイド
無事にChromebookを手に入れたら、早速リモートデスクトップを設定してみましょう。Googleの公式ツールなので、安全かつ無料で利用できます。
- スッテプ1自宅PC(Windows/Mac)側の準備する【約3分】
- 自宅PCのChromeブラウザで「Chromeリモートデスクトップ」と検索し、サイトにアクセスします。
- 画面の指示に従い、拡張機能をインストールします。
- 接続時に分かりやすいPCの名前と、6桁以上のPINコード(暗証番号)を設定します。このPINコードは後で使うので忘れないようにしてください。
- 設定したPC名の下に「オンライン」と表示されれば、自宅PCの準備は完了です。
- ステップ2Chromebookから接続する【約2分】
- 購入したChromebookで、同じように「Chromeリモートデスクトップ」のサイトにアクセスします。
- 「リモートデバイス」の一覧に、先ほど設定した自宅PC名が表示されるので、それをクリックします。
- PINコードの入力を求められるので、先ほど自宅PC側で設定したPINコードを入力します。
- 接続完了! Chromebookの画面に、自宅PCのデスクトップがそのまま表示されます。あとは自由に操作するだけです。
- 次のステップセキュリティをさらに強化したいあなたへ
無事に接続できましたか?GoogleのChromeリモートデスクトップは標準でも安全な仕組みですが、「公共のWi-Fiからでも安心して使いたい」「会社のPCに接続するので、セキュリティを最大限高めたい」という方もいるでしょう。
そんな上級者向けに、VPNを使った通信の暗号化や、各種設定を突き詰めて鉄壁のセキュリティを構築する方法を以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてお読みください。
【まとめ】「リモートデスクトップ」を知れば、Chromebookは最高の選択肢になる
これまで見てきたように、「リモートデスクトップ」という使い方を知っているだけで、Chromebookは「安価で限定的なサブPC」というイメージから、「多くの作業をこなせる、コストパフォーマンスに優れたメインPC候補」へと変わります。
もちろん、注意点で挙げたような制約はありますが、それらを理解した上で活用すれば、これほど賢い選択肢は他にありません。
- 購入時は、CPUより「画面の綺麗さ」と「Wi-Fiの速さ」を重視する
- 購入後は、たった5分の設定で、今までのPC環境をそのまま手に入れる
この知識があれば、もう高いPCを前に悩む必要はありません。ぜひ、賢いPC選びの選択肢として、Chromebookを検討してみてください。
コメント